INSEADのP1基礎科目(Core Courses)6科目の教授陣についてふりかえってみようと思います。

ですが、ふりかえり、と言っても、基礎科目担当教授陣のうちのごく一部の情報になります。INSEADはキャンパスが2つあり、1学年500人がフォンテーヌブロー300人・4クラス、シンガポール200人・3クラスと全部で7クラスあるため、どのキャンパスになるか、どのクラスになるかで担当教授が異なることになります。フォンテーヌブローだと、同じ科目を2人の教授が受け持つことが多いです。また9月入学・1月入学で担当教授が異なりますし、毎年同じ教授が基礎科目を担当するとは限らないようです。

●Financial Accounting(FA):Gilles Hilary教授:★★★★☆
HKUST,HEC Parisなどでも指導経験のあるフランス人の先生。ともすると退屈になりがちな会計知識を、現実の粉飾決算事例をふんだんに交えながら熱意を持って教えてくれました。ayumuraは多少会計知識があったので、財務諸表を見て企業評価するところまで踏み込んだ学びを期待していたのですが、そこまでには至らず。会計初心者も少なくない基礎科目クラスではやむをえないかもしれません。

●Price & Market(PM):Amine Ouazad教授:★★☆☆☆~★★★☆☆(クラスメイトの評判ベース)
Exemptionしたので、直接彼の講義は受けていませんが、受講したクラスメイトたちの評判は芳しくありませんでした。まだ指導経験も短いようで、講義中の質問に的確に応じることができずクラスがしばしば混乱している、という話を聞きました。

●Financial Market & Valuation(FMV):Theo Vermaelen教授:★★★★☆
自社株買い(Buy back)時のアノマリーに着目したファンドのアドバイザーとして財を成したベルギー人教授。実務でファイナンスをやっていた人にはとても評判が良かったです。一方、初心者にはかなりハードルの高い講義。ファイナンスの基礎的な数式の説明などは本講義では行われないので、講義と並行して開催されるTutorialに参加して知識補完することをおすすめします。皮肉屋・風刺が好きなお人柄なので、好みは分かれるかも。。(ayumuraは好きです)P2ではシンガポールキャンパスで教えるようです。

●Uncertainty, Data & Judgment(UDJ):Theodoros Evgeniou教授:★★★★★
ayumura的にP1のベスト教授。大学のとき統計学は履修したものの理解度はいまいち。初回授業のときは、正規分布表のz値の求め方もあやふやだったのですが、この2か月で中級統計までしっかり理解できるようになった実感があります。すごく切れ者でありながらお茶目(大人のジョークが好き)なギリシャ人。学生たちに直観的理解をさせるのが本当にうまいです。またFMV同様、講義と並行して開催されるTutorialへの参加がお勧め。Tutorialを担当しているMichele Hibon先生も教え方がとてもうまいです。

●Organisational Behavior 1(OB1):William Maddux教授:★★★★★
シミュレーション、ロールプレイ、映画Twelve Angry Men(12人の怒れる男)、ビデオ教材、、多彩な講義スタイルが楽しい授業でした!スライドもとても分かりやすく、またカリキュラムの組み立ても良いです。ある回で触れた内容が後続の講義でしばしば取り上げられ、学びを深めることができました。教授はアメリカ人ですが、大学時代日本で学び、奥様は日本人だそう。日本人研究者との共同研究も多く、講義中、日本語の敬語の話や、日本人が使う顔文字(:-)と^o^の違い)なども出てきました。

●Business Ethics 1(BE1):N. Craig Smith教授:★★★☆☆
ビジネススクールでビジネス倫理を教えることに熱意を持った教授で、シンガポール・フォンテーヌブローの全クラスで指導をされています。P1では2つの事例(①顧客に不利な取引を持ちかけて儲けることの是非②役人に賄賂を贈ることが商慣習のようになっている国で賄賂を贈るかどうかの是非)をもとに講義が行われました。ayumuraのクラスでは、現実のビジネスを知るクラスメイトから、教授の考え方はきれいごとに過ぎないのではないか、という反発が少なくなかったです。個人的には、白黒はっきりつけられないことを、考える機会にするのが目的なのかな、と感じました。

上記でも少し触れましたが、本講義と並行して行われるTutorialについては別記事にて書こうと思います。
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テーマ:MBA
ジャンル:学校・教育